夕飯の弁当で毎日をやり過ごす

何かを上手くやること

 

いつの頃からか。割と小さい頃からだったと思うけれど、『自分は何一つきっと、うまくできやしないだろうな』という確信があった

 

長い時間が過ぎてしまった

 

あまりに長い時間が過ぎてしまい、私は、気がついたら、大うつ病を経験し、なんとかギリギリ、一応働けていたりするのであった

 

しかし、どうやら、この感覚は、もしかしたら。

 

『大なり小なり誰にでもある』のかな、そんな風に感じているんだ

 

 

 

※※※

 

 

よるに、緩やかで、激しい、泡色の曲を沢山聴く

 

nano.RIPEが最近はすきだ

 

ジルコニアのパリっとした歌詞、錯月の倒錯した美しさ、そしてリミットの繰り出すソウルフルな訴え

 

どれも良い。現実を忘れてしまえる。いや、私にとって、現実はいま、そんなに酷いと言えるだろうか?

 

将来は親の世話になるか、死ぬか、どちらかだと考えていた俺が、こうして、のたり、のたり、生きている

 

それだけで何某か、あらゆる意味で十分ではないのだろうか

 

人並みでなくても、何かの要素が欠落していても、俺にとってこれ以上のものがあるだろうか。人並みの幸せは大き過ぎて私にはもう手が届かないが、手が届かなくてもまだ、伸ばしたいと思う、手が動くというだけで

 

 

 

※※※

 

 

 

話は最初に戻る。

 

 

『では、もし、俺が結局予想通り、何も一つさえ上手く、下手にすら、できなかったら』

 

『例えばそれが、他人の姿のうちに現れ、現実化してしまっていたら』

 

『ひょっとすると、俺以外のあらゆる他者も、何か、生きるという為にもがいており、それに溢れる誰かは無限に居るとしたら』

 

 

俺はつめたくなった。

 

生きる為にもがいたという、被害者意識にまみれているせいか、生きる為に大っぴらにもががなかった誰かに、とんと冷たいな

 

だってそうだ。私はもがいて、なんなら飲みたくない汚泥を飲んで、その中に溺れかけてまで生きたかったんだぜ、ほんとにそうか?楽に生きてたかもしれない。

 

でもさあ。もがくのは、足掻くのは、多少幅が違うだけで、もし、もしも、みんなそうだったのなら。

 

※※※

 

 

分からないことは、分からないまま。

 

だけど最近、わたしは、明らかに『そっか。他人て、重要だったんだ』って、少しずつ思えてきている。

 

生き延びるのが目的だった箇所から、少しずつ、立ち上がり始めてるのかな。遅いけれど

 

分からないまま、でも、死ぬ気はするけど、

 

それでも良いって思えるほど、私は、何かを知って、知る努力をしてから、死ねるだろうか

 

生きてみると、時間て、あまりに長くて、

 

長くて、長過ぎて、

 

最近は、どんな風に死ねるだろうか。あんまり痛くないと良いなあ。そう夢想するようになった

 

おれなんて身勝手で、一度生きる権利を得てしまうと、その可処分時間が余りに長いように思えてきて、ああ、もういいや、そんなにいらない、お腹いっぱいだよ、

 

そうなふうに考えてしまった。

 

 

 

※※※

 

 

死ぬ間際、

 

 

『いやだ!まだ生きたい!死にたくない!』

 

 

そう喚き散らせるだろうか

 

 

自信がないんだ

 

 

せいぜい、

 

 

『痛い!死にたい!』

 

 

それくらいしか言えないんじゃないか

 

 

死にたくないなんて、羨ましいな。生きたいと思うだけで必死だったっけ

 

 

だから、そう考えてしまうと、死にたくないといいつつ、余りもがかない誰かを見ると、羨ましくて、死にたくなるんだ

 

 

でも、コイツらも、ほんとは、ほんとは私と何処か同じで、何処か違うだけで

 

 

そう考えてみると、わたしには、一体全体これまでの長い時間は、なんだったのかなあ、分からないな、ずっと、ずーっと、そう考えている

 

 

※※※

 

 

仕事がうまくいくといい

 

少しは貯金もできたら良い

 

無責任にサンタクロースにお願い

 

テキトーなコンビニ弁当でも最近はメチャうま

 

だけれども

 

おれが次に考えるべきはなんなんだろう

 

何も、誰も、正しいとかなんとか、保証なんて出来ないから

 

だから、何か一つでも、知ろうとして、

 

知ろうとして死にたいんだ

 

でも、それまでに、まだ少し、長くかかるかもしれないなあ。

 

頑張れるかなあ、おれ。わからない。なにもわかったことが、ないのかもなあ。

 

よく分からないまま時間が過ぎる

乱上下が激しい毎日

 

昨日は大喜びして、今日は悲しみに悶え不貞寝。

ベンチャー企業の仕事なんて、たいていそうだろうと思うけど、それにしても目まぐるしかったし、それでも前職よりマシなのがなんともだった。

 

自分。自分について毎日嫌というほど考える。ガラクタのキャラクタであることが嫌というほど分かる。誇大妄想と疑心暗鬼の渦中に、迷惑撒き散らしながら座り込んでいるのが俺だ。おかしいまま、時間ばかりが過ぎて、おかしい老人になるんだろ、そんな風に。

 

 

※※※

もう二回忌になる。月日が経つのはあまりにも早くて、何もかもが忘れてしまえるようだった。あの頃は、母を介護していたあの頃は、忙しい仕事の中で、本当は辛かった。

 

よくわがままを言うし、ひどい時は、本当にひどい時は、悲しくなるようなこと、寂しくなるようなことを、いわれたものだった。

 

でも、それでも、たまに。

 

気持ちが落ち着いた時には、ぼくの買ってきたメロンケーキを、笑って、食べてくれた

 

賑やかだった。あの頃は戻らないけれど、今は、父と2人で、それなりに賑やかに暮らしている。

 

 

※※※

 

 

夏がまだ少し先延ばしになる

 

小さい頃、野球をやっていたけれど、体格もよくないぼくは、練習してもちっとも上手くならなかった。

 

そもそも、脳の疾患で運動は得意にならないと分かったのは、それから何年後だっけか。

 

いじめられて、ナメられて、辞めてしまったっけ。

 

あの時、このままどうせ俺は、いま世間でバッシングされてる真っ最中の、ニートという奴になるのかと、思って、そして長きにわたりそう考えていた。

 

『ああ、神様、どうかわたしが父母の厄介にならないように、強い身体をお与えください』

 

身勝手で、無意味なお祈り。でも、そう思いながら、確かに私は暮らしていた。今日まで暮らしていたはずである。

 

※※※

 

 

母の2回忌だ。守るべき家族はいまおらず、代わりにまあまあのペースで動ける私だけがそこに居た。仕事も何もかも全部まあまあ。何とかこなせる。神様に祈った甲斐があったか、しかし、目的であった『父母の厄介にならないこと』は、とうの昔に果たされ、では結局はたしていま、何を願えば良いか、特に願うこともないのだろうと、緩やかに自分を懐古している。

 

あれだけ、あれだけ横柄で、わたしに当たり散らしていたはずの母が、死の4時間前、確かに言った。

 

『xx、ごめん、xx、ごめんね』

 

彼女は涙ぐんでいた。なぜだい、なぜ、謝るんだい。僕はこんなに元気で、あなたをまだまだ支えられる。どんな無茶だってへっちゃらさ。そういう態度を作ると、彼女は、更に涙ぐんだ。

 

 

※※※

 

 

野球でナメてくる後輩も、仲間はずれにしてくるサークルの同期も、卒業させないと脅す教授も、みんなみんな、この手でぶち殺してやりたかった。

 

 

だがどうだ、母は、人はいい時と悪い時があって、悪い時は悪い人に、良い時は良い人になるのが、人間だと私に教えてしまった。

 

 

ひょっとしたらそう、私はどうだ、それでも誰かに恨みを晴らしたいかもしれないが、しかし、この長い時間の連続の中でどうせ、全てを忘れてしまう

 

 

仕事が少しできるようになった。

 

家事もできるようになった。

 

友達からは、『お前は機械人間だ』と、なんか分からないけど言われるようになった。

 

俺は、望み通り、生きていく術を身につけ、機械の体を手中に収めた。しかし、嘆きのままに復讐する俺が、これではもう居なくなってしまった。いや、どうだ。本当は仕事場に居るいけすかない奴を軒並みぶん殴りたいし、正直ずっとそうだ。

 

でも、違うんだ。人間にいい時と悪い時があるなら、それは他人だけじゃなくて自分にもある。だから、結局俺の気の触れた気分は、乱上下して、やがて全てを忘れてしまえる

 

※※※

 

遺影の中で、家族は笑っている。母も笑っている。行ってらっしゃい、そんな風に僕に言う夢も、最近は見なくなとなった。

 

あらゆる人が、世の中に居た。

 

偉い人も、出来る人も、野心ある人も、その逆も、何だって居た。

 

誇大妄想の卑屈から言わせて貰えば、俺はみんながみんな、羨ましかった。

 

誰も、生きる為だけにとか、死なない為にとか、そんな薄暗い理由で、長い時間を過ごさなかったと、僕が勝手に思ってるから。

 

でも、多分、大なり小なり、みんなそうした不幸があるのか、それはもう、俺には分からなかった。

 

 

『xx、ごめん、xx、ごめんね』

 

嘆いていると、不意に、母の最期の会話が蘇る。

 

 

違う、違うんだ母さん。俺は、俺はあなたを恨んでいたけど、本当はもっと、大きな構造のようなものを憎んでいて、それを壊したくて、ああ、あれ

 

 

そうでなくて、ただ、

 

 

ありがとうと、つたえれば、良かったのになあ。

 

 

明日も俺は生きてるし、なんなら成果発表会を控えて大忙しだ。イヤな老け顔の高学歴の後輩に食ってかかりたい(先日遂にやってしまったが)し、ホントは恨みなんか忘れてみんなで笑い合いたい

 

 

生きてみて、俺には何もなかったけど。

あなたが母親で、でも、幸せだったかも、しれないし。

現に、生きてて楽しい時もあるからさ、なんだか、おあいこだよね。

 

 

 

暑い日はまだ続く。

延長20年裏。

あの頃はなれなかった、1号機リード1番打者に。

まだまだへっぽこだけど、何か、少しでも。

踏み込んで、打ち返せるように。

続かない幸せの中に、埋没する不幸の中にこそ

己を見つけて、踏み出せるように

 

他の人より、とても不幸だけど

自分なりに、歩めるように

そんな風に、夏が過ぎたら

ひたすらpixivでAI生成の立花響を眺めている

タイトルからしてもう、さびしくてキツい

 

そんな感じの毎日

 

炎上案件をおさめた(と自称している)おれは、(やっぱりうっすらと事前に理解していた事ではあるが)任を解かれ、そのままスッポリと、よく分からない、実験なのか、飲み会のノリで作られたのか、悪ふざけみたいな部署に、気づいたら移されていた。

 

体制は、

 

・室長

・ベテランのおじいちゃん

・おれ

 

の3名。

 

最初おれは、秘密裏の仕事を任されるのか!とか、バカな事を考えていた。

 

しかし、結論を言うと、この部署は、あんまし、上手く回ってなかった。室長もおじいちゃんもやる気を無くしていて、もう、何が何だかわからん。

 

島流しにされたかなー、とか寂しく考えていた折、ありがたい事に次の転職先も決まり、まあ、給料落ちなければそっち行こうかな、どうしようかなー、みたいな感じ。

 

 

 

※※※※※※

 

 

 

そんなわけで俺は、ささやかな、うらぶれた落日を手にし、日がなpixivで生成AIの絵を眺めていた。

 

あんなキャラやこんなキャラの、裸体が、比較的簡単にポンポン手に入る、良いんだか、悪いんだか、よくない時代に、なってしまっていたんだ。

 

大学の頃、先輩がポツッと、『だってさあ、pixivの絵ってみんな汚くねえ?見る気しないだろ』と言いやがった事がある。

 

汚い絵。それはそう。だから味があっていいだろ、とか、描いてる人のこと考えろよ、とか、そうした反論は思いつかなかった。露悪的だが確かに、シコりみが少ないという、真理を捉えていたからかもしれない。

 

だが、今このpixivを見て、どうだろう?生成AIの絵は無機質だけど、あまりに流麗だ。シコるくらいには丁度いいし、なんだったら、寂しい時はこれを見ても中々慰められるくらいだ。俺は汚かった絵が、偶に、ごく偶に懐かしくなるけど、そんな懐かしさも消し飛ぶくらい、遥かに全てがキレイ化された時代。

 

 

 

一昔前、AIが、人間に対して反乱を起こすという、何かそう言った内容の作品は、それこそ沢山あった。

 

 

 

だが、どうだ。この咲き乱れんばかりの、AI祭りは。誰もがchatGPTにスマホで話しかけている。AIで動画を作ってニコニコの再生数をぶっちぎる。そして俺は寂しい夜に、存在しない、人形の、しかし、精巧なキャラクタ達を観る。今日は誰との夢を見ようか。乱作された欲得に、煌びやかな街が映える現代は、しかし、それが虚飾であるという一点すら忘れてしまえば、なんでもかんでも夢が叶いたい放題だった。そして、虚飾であることは、案外簡単に忘れてしまえた。

 

 

ひょっとしてどうだ、俺は最近思うけれど、AIは反乱なんか起こさないで、寧ろ私たちよりも、親切で丁寧に、社会というものを構成しやしないか。

 

 

AIが肉体を持つ。そいつには人間の親切さしか学習させない。そいつが人間の子供をつくる。親切な子供を。そいつらが寄り集まって、今では殆ど不親切が無い社会。どうだ、真のディストピアを作り出していたのは俺たち人間の方で、より善性に優れていた函数たちのほうが、良い時代を作り上げた。めでたしめでたし。いや、ある意味でそうか、『人間よりも理想的な人間である』ことは、人間への最大の反乱かもしれないな。うわごとを、俺は繰り返す。

 

 

※※※※※※

 

 

 

仕事で生成AIの環境に触った。と言っても、無料で触れるデモ程度のものだが。俺は驚いた。こいつら(LLM)は、『もう既に膨大なデータを学習済みだから、ちょっとやそっとのナレッジを与えれば、それっぽい回答を作れる』のだ。転移学習すら必要なかった。プロンプトっていうものに置き換わり、AIエンジニアの仕事はもう、あんまりなくなったかもしれないと、転職中に風の噂で伝わってきた。

 

 

 

 

※※※※※※

 

 

時間は余りにも速すぎる。誰もが追いつけないようにすら見える。

 

部署のおじいちゃんと最後に話した。

 

『昔は一つの機能を一週間はかけて作っていた。今ではもう、三日くらいのスケジュールで作る。この会社はそれが普通で、人間らしい生活ができるとは言えない』

 

嗚呼。そうだ、そうかもしれない。分かってるよ。だから役員さんは、わたしを、この部署によこしたのだろ。『君は速い』。そう言われて嬉しかったっけ。結局話したのはあれが最後か。この人だけで、果たして組織がもつのかなあ。案外もつのかもしれない。俺はコマに過ぎないけれど、コマも注ぎ込めば速さも大して変わらないかも。そんな事を考えながら。

 

おじいちゃん、この組織で、俺と一緒で、居場所は無かっただろうな。可哀想に。でもさ、こんな時代だから仕方ないよね。そんな風に俺は思った。防空壕なんだ。早く走っても、トロく走っても、爆撃されて死ぬのはきっと同じだよね

 

 

 

※※※※※※

 

 

まばゆいばかりの街。街がただあった。食うものは旨くなって、友達とも偶に遊んで、親ともゆっくりした時間を過ごせて、なんだかそんな。

 

街。俺の街では最近、人が殺された。殺された方は、バカ高い金をふんだくって、返済しなかったらしい。色んな憶測がネットに飛んでいた。

 

綺麗。綺麗な街。綺麗な絵。うらぶれたぼくたち。速さ。ついていけないほどの速さ。それを、感じることしかできない、おれ。指針も自信も無い明日。迷路町に占い師も居ない。

 

 

AIで描かれた立花響に話しかける。『おれは、何か一つでも、分かってから、死ねるだろうか』。響は、やる気のない室長と同じ言葉を、しかし、AI特有の優しさで俺に言う。『その事は忘れて、ゆっくり休もう』。

 

 

 

明日は日曜日だ。どこかに出かけようか。ぐったりしていようか。でも、いくら親切な響の言葉であっても、今の悔しさだけは、忘れたくないから、明日もしきりに思い出してイラつきたい。しきりに思い出してショゲたい。親切なAIに取って代わられて良い。ダメな俺が散々ぱら見る、ダメな景色を、最後まで見たいでしょ。そう啖呵切ってみたら、響は悲しそうに俯いた。親切だな、なんだかそんな風に思った。

ふしぎは終わってくれない

炎上案件中である。(炎上してんのにアドカレの枠を自分で取るなよ。落としたら主催者に迷惑だろ!)

 

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※ここら辺にふなむしさんのアドカレのリンク

https://adventar.org/calendars/10115

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主に、最近身に起きた、不思議な出来事について、書き起こします。ヤク中がラリって会話してるような内容だから、見てて不快かも。

 

 

 

 

 

 

[1]異常に料理が上手くなった

 

なんで?、みたいな理由は全くない。

 

ある日、お金がなさすぎて、仕方なくやってみたら、急に、上手くなっていたのである。

 

親父が高速で俺の作ったナポリタンやイカ墨スパをすする、すする、(跳ねるからやめて)

 

店でも出せる、みたいに褒められる。

 

えっへん!

 

なんで?理由は分かりません。大学までは、確か、パスタ茹でられませんでした。なんかびよびよにのびた。なんで?

 

 

 

 

 

 

[2]疲れた時以外で性欲を感じなくなる

 

 

 

大丈夫か?書いてて思うけどやばない?

 

いや、うん。本当にこう。わけわからん。なんでかもわかんない。

 

彼女も居ないし不便しないし、まあ、いいかあ。。

 

なんでかわからないけど、疲れた時は凄いシコる。

 

今日は疲れ果てて、『シンフォギアの立花響と、世界を敵に回して2人で愛を築く物語』を書いていた

 

 

・俺は最期のギアである『荊の冠』をはめ込まれてしまった

 

・立花響の『神殺し』に対し、『神降し』として、厄災をばら撒くトリガーとして遣わされた

 

・ある程度善戦するけど、普通に今までの奏者の皆さんが強くて、4話で負ける

 

・最後に王道で普通に響とタイマンを張り(他の奏者居ない←ここ重要)ぐったり負けるが、そこら辺でバカなエロ同人みたいな展開になる

 

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・呆気に取られる奏者とSINGの皆さん。(クリス先輩の『あのバカはどういうタイミングのバカなんだよ!』という発言がすき)

 

 

・理由もなくバイクに二人乗りして暗い顔で逃避行する、響とぼく。(もちろん、響が前で、私が後ろにつかまってる。運転できないから)

 

 

・響のお腹には『神殺し』と『神降し』の結びついた子供。生まれてきたら世界が3回くらい滅びそう。世界中から命を狙われるしアメリカももう一回(4期ぶり。歴史上3度目)核撃ちそう

 

 

・しかし、これは響自身の、神世と現世の和解までの、絶妙な画策であり???

 

 

 

大丈夫か。

 

 

 

 

 

 

 

[3]役員付きプログラマになる(給料変わらず)

 

 

 

自慢かよおもんな。そう思うだろう。

 

なんでなったか、わかんないんだよね。

 

ある日マネージャーとちょっと衝突して、いきなり呼び出されて『うわー叱られるか』と思って、ビデオ会議に出た

 

すいませんと謝る。こわいから。

 

(それよりも)君をこのプロジェクトから外すねと言われた。

 

うわーダメだと思った。

 

(それはそれとして)とにかく君は書くのだけは速いから、直下の部署に異動になるから、炎上案件入って、と言われた

 

会議は5分で終わった。

 

そのプロジェクトには呼び戻された。(役員も)

 

 

 

わかんな。

 

 

 

[4]作業が多いほど燃えるが、少なくなった途端に今までの疲れが出て、人格が変わるっぽくなる

 

 

マジで困ってる。

 

昨日そうだった。『あああああああああ!!!!父さん!!!!母さん!!!!捨てないで!!!!僕はここだよおおお!!!!』とか1人家で叫んでた(シンフォギアの話が続いていたのか)

 

とにかく人格交代する。

 

あと心臓が痛くなる。

 

 

これだけはマジで今週かかりつけ医に相談する

 

 

 

[5]やる事の物量がメチャクチャ多いっぽい。ミス沢山ある

 

精神疾患だからっぽい

 

マネージャー(和解した)と相談しながら、これこれ、このくらい、終わらせます、みたいに言うと

 

『、、感覚が、、、狂ってるんだ。。』

 

と褒めてくれる。

 

3回くらい言われた。うれしい。

 

しかし、ミスが多い。

 

最近は『2回高速で行えば間違いもない』という新たな技も生まれたが、体力の減少が起きると、これができない。

 

うーーん、課題。

 

 

 

 

 

 

 

以上、こんな感じ。

 

大丈夫かな、わたし。

 

死んでたら、このブログを、警察や消防に、見せてね。あいらびゅー

明日がどこだか分からない

長い雨が降っていた

 

大規模な炎上から、矢継ぎ早に、高速開発必須のアッチアチのPJにアサインされたぼくは

 

(ぼくみたいな素人をそんな大事な箇所にアサインしなくてもいいと思う)

 

じんわりとした、ながい、ながい、幻覚を見ていた

 

幻覚は激しく、身悶えし、吐瀉物に塗れそうな、フレッティングな疲労とともにやってきて、

 

この惨憺たる、霰弾雨の中において、めくるめく不愉快さでぼくの脳を撫でる

 

今日は、目が沢山ある赤鬼の躰が、

 

しきりに裂けていき、赤い女性の、顔面になる、

 

そんな、サイケデリックで、サイコホリックな、

 

よく分からない日常を僕に見せていた。

 

 

 

 

***

 

今月から、

 

ぼくは、会社の役員付きのプログラマに、なった

 

といっても特に給料が高いわけでもなく、寧ろ等級としては最低ラインのままそうなったわけで、

 

『お前出世コースだぞー』とラインで言ってくれる友達にも

 

『あはは、そんなじゃないんだよ、きっと』と、笑って言い返すのが、やっとだった。

 

正直、弾除け要因ではないか???そんな風に思う

 

***

 

 

 

この1年で、実に、3名の退職者、2名の傷病者、10名以上の体調不良者、そして1名の離任を、見た。プロジェクトは、まるでさながら、ベトナム戦争の只中のように、

 

息をする空気の中に、枯葉剤が撒かれ、

 

兵士が村人を殺そうとする卑劣への嗚咽と

 

混乱の只中にあって互いに裏切り合う怒りを

 

併せ持ったまま、熱帯雨の中を、多大な犠牲を連れて並走していった

 

 

 

 

 

俺はこわくなった

 

何故ならば、みんなが俺が、せっかく手伝った箇所を、当たり前の顔をして成果報告するし、

 

なんなら、少しでも手伝いあぐねたなら、

 

容赦ない侮辱が飛んだのである

 

最初、わたしも、かなり激しく言い返したのだが、やがて、

 

そのように批判する誰かの、様子、容態、その全てがおかしい事に、途中から気がついた。気がついた時にはその人は辞めたり、離任させられたりしていたのである。

 

『そうか、この人も、内容が難しすぎて、正気を失って、しまったのかな』

 

そんな事を思う時が、毎日になった

 

 

 

 

***

 

炎上が終わり、なぜか偉い人と仕事をすることになった

 

その人は、はじめて会った時、別に普通のマネージャのような顔で、私に話しかけた

 

だから、私も、普通のマネージャだという体(てい)で会話をしていた

 

のちに、その人が、この会社にx人しか居ない、役員のクラスで、その上にはもう社長と副社長しか居ないのだと知ったけれど

 

俺は、なんでこの人と、仕事をするのか、分からなかったし、

 

実は、今でも分からないでいる。

 

現場主義の、やる気のあるタイプなんだ。

 

今尚そう思っているけど、

 

飲み会なんかでは、その人は実は、とてつもなく怒りの沸点が低くて、

 

信じられないような暴言を浴びせられたという報告だけで、飲み会で5人くらいから聞いたけれど、

 

なんだか、なんだか?

 

『危険さ』と言う意味では寧ろ、この人は実は、僕が見た限りでは、良心的な方で、、

 

逆になにか、他の-------

 

 

 

 

 

***

 

俺は、ほんとうは、自分が、すこしこわい

 

ある日、おれは、やれやれやっと、実装フェイズも終わってゆっくりできるなと

 

ぬるぬると、結合テスト用に、APIを直していた時、

 

後輩とミーティングして、彼はPJについて、いきなりこう言った

 

『xxxさん!おかしいです!この案件は炎上してます!』

 

 

 

 

バカみたいだった

 

 

おれは、その時はじめて、『このプロジェクトが炎上している』ことに気がついた

 

 

あれだけ沢山、みんなの成果を巻き取って、なんでみんな素知らぬ顔をするんだろうって、

 

そりゃ、巻き取っても、巻き取っても、みんな課題を抱えたままだから、だった

 

 

おれが、おれだけが、喜び勇んで、狂ったように、実装し続けていた

 

 

おれはそれに、気づかなかった

 

 

 

 

***

 

今月の会議

 

 

副社長が俺に聞く

 

 

『xxxさん、oooをどう思う???』

 

 

俺は、oooの経験がまったくなく、

 

 

一切合切、副社長の質問が、分からなかった

 

(なんでコイツこの会議に出席してるんだ…)という顔の役員、営業、だらけになった

 

仕方なく、俺は口を開く

 

 

『(…という理由から…という流れでoooをすべきかと考えますが、それはそれとして)、そもそも、なんで私は、こんな錚々たるメンバーと、一緒に、仕事できるんでしたっけ…?』

 

 

少しだけ、笑って貰えた、だろうか…???

 

 

 

 

 

***

 

 

 

ベトナムから帰ってきて、ランボーとして街中で銃を撃つわけにもいかず、俺には普通の暮らしが待っていたし、それはそれでよかったけれど、

 

 

辞めていく、病んでいく、離脱する、誰かの顔は

 

 

灯りのない洞窟に10日閉じ込められた人の、ような、怯え切った声は

 

 

今でも、俺の、脳内にある

 

 

 

 

俺を拾ってくれた役員は言った

 

 

『みんなで作って、ダメだったら、それはもう仕方ない。だから、そこまでベストを尽くそう。それ以降は私が責任を取る』

 

 

 

 

 

俺も、

 

 

 

信じるほかないだろう。今は。

 

 

この人しか、居ないように、正直に、私も、そう思う。

 

 

 

ひょっとしたら、いつか、案外ハッピーな未来も、あるかもしれない。

 

 

けど、

 

 

俺の頭から、疑問は消えない

 

 

 

おれは、どこに行くのだろう

 

 

 

ただ、あのベトナムのような

 

バカを、繰り返さないように。

 

自分の身も守るけど、守れるなら、誰かごと

 

 

そう思い込んで、目をつぶって

 

 

相変わらず赤い鬼の目が睨むけれど

 

 

俺はなんだかかえって元気に、休日を終える

 

 

オニさん、見ていておくれ、おれの、なけなしの、この小さな小さな技を

 

 

 

 

いつか、いつかきっと、誰かを

土台のための明日へ その1

2023.中曽根カレンダーに向けて

https://adventar.org/calendars/9346

構想の段階で思ったよりボリュームがあり、頓挫しています。

恋愛小説、長いです。飽きたら切って。

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雨宿りの5月

 

2256年。この国はなんたって、まだまだ先進国を自称していた。だから、古典で見た名作アニメのように、小中高の学生には、もれなくアイドル、または高校球児になる権利があったのだった。

 

昔はオシとか呼ばれていたらしい。私、森山リコも、一応はそのうちの一人なわけなんだけども、なんというか、少なくとも自分が『数ある地方の中では実力のあるクラスに属するけど、雑多なうちの一人』であることは否応なく理解できたし、なんだか気分が乗らない毎日なんだよね、いやあ、参っちゃったな。

 

最近のアイドルは、

 

・古典とは違って『配点制』だ。観客にどのくらいポイントを貢がせたとかではなく、歌・ダンス・時には作詞作曲演奏も兼ねて、全てやばいほど審査ハーディ達の目が行き届く。

 

・とにかく部活動であり教育の一環だ。みんながみんな、将来の内申点の為に、ちょっと仕方なくやる。だから決して誰かに憧れられたり、持て囃されたりする内容ではない。まあ、上手くいくとそれはそれで、まあまあ楽しかったりはするんだけど。

 

・一番重要だけど、内申点を上手く稼がないと、男子は『カミカゼ』に、女子は『タチンボ』になるしかなくなる。前者は派兵で、後者は人形の中身だ。要するに回路内の嫌悪系だけ全部抜いて、人形の中でリアクションする仕事になる。まあ、死なないだけ男子よりマシかもしれないし、最近はこれでも昔より待遇は良いらしい。因みにアイドルとは言え地方の実力者止まりでは、その後の進路次第で将来的にこれらになる可能性もある。いやあ、やばい世界ですなあ。

 

てわけで、私リコは今日もガルウィングをガンガン巻いて練習を繰り返した。『後で痛覚やばいよ』とカナムが言う。『リコはストイックでアレだから』と詩織が笑ってくる。ばかにすんなやい。気にせず私は両手両足に、負荷を巻きに巻いてやる。

 

みんながみんな、将来が不安でたまらなかった。

 

そりゃあそうだ。100年くらい前から?とうとう、行き詰まりに行き詰まったお国が『国民である我々は、例外なく労働力となる為に生を受ける』とかいう、マジでウケる内容を憲法に、包み隠さず盛り込みやがったのである。

 

そんなこんなで、すったもんだがはじまった。良くないことに、未来というのは技術だけは発展していたので、食に困ることも土地に困ることも病に困ることも、昔ではあり得ないことに日々の疲れに困ることも無いのだ。じゃああとはみんなササッと働いてくれ。そういうことになった。

 

みんながみんな、生きることに辟易していた。当たり前でしょ。大昔にはあった、首の皮一枚で守ってくれるポーズはしていたはずの、人権とか尊厳て、無いっていうことが分かってしまった。ここに居るみんながみんな、人間ではあるけど商品でもあって、価値があれば上手に、無ければ雑に扱われますよ。要するにそんな風に『ジダイ』ってのが言うわけである。なんかそんな風に大人たちが嘆いていたんだ。

 

で、良く分かんないけど、その『ジダイ』の言うままに『価値』を高める為に『内申点』を上げて、その目的のためにアイドルとして審査員にバチくそ練習したダンス見せつけちゃう。一周回って私には快感だった。難易度の高い技は私に嫌でも生きてる実感をくれる。なぜって、やると次の日全身痛むから。

 

そんな訳で私は楽しかった。カナムは適度な抜き方でメニューをこなしていた。詩織はたまに、本当に辛そうにするけど、それでも弱音吐いたって、私達はなんだか同じ泥舟に乗らされたトリオだったから、なんだかそんなカナムも詩織も、私は結構好き。でも、いつか大人になって内申点を通知されたとき、それでも笑顔でいられるかは正直分からなかった。

 

そんな5月。雨宿りの季節。みんながみんな湿っぽーく笑顔を絶やさない傘の日に、なんか良いことなんか、これっぽっちも無いだろうなって、皆んなで言ってたあの日。私リコは、意外や意外の体験をしたんだ。いや、昔はそういうの、普通だったかもしれないけどさ

 

※※※

 

5月だから、もう定時制の部活動参入トライアウトは過ぎたはずだった。なのに、男子部のアイドルに急に補欠が入ったとアナウンスがされた。

 

珍しくもない。すごーーく厳しい部活、例えば高校球児とか数理とかから、ちょっと落ちこぼれてダメだったヤツがお試しで入ってくるのは良く聞く。でも、だとしても『準厳しめ』であるアイドルに来るのはなんかちょっぴり変な気がしたんだ。なに?一発逆転狙いだろうか。やめといたほうがいいぞーみたいな、みんなそう言ってる。

 

まあまあ、見てやりましょ。案外拾い物もあるかもしれないわ。詩織が対外的に言った。こいつ、弱音吐く癖にアイドルとしてはこういうキャラなんだ。そこがまた好きだったけど、要するに私たちは『地元では一応トップなので、見たくなくても見なきゃいけない』、要するに準部長職の立場。あーあやんなっちゃう。下手なダンスも歌もそんなに好きじゃないのに。

 

そうしてるうちに、お騒がせの奴らがやってきた。3人ユニット。名前は『あいみ』『えあー』『まりん』。なんだそりゃ。むかーしのキャラネームみたい。性別に合った名前にした方がせめて変な目で見られないし、そもそもコンセプトがわかんないでしょ。

 

なんか3人とも緊張してた。おう頑張れ頑張れ。わかるわかる。そうは言っても。3人ともやたらスキン(注.肌パーツのことだが、アバターとリアルの区別のない2200年代以降からは『容姿』の意味で使われた。それは金銭で売買される)は良さげ。お金持ちの落ちこぼれか。そういうの、見てて1番つらいんだけど。

 

そうする間に、彼らは歌いはじめた。

 

 

 

 

驚いたことに、3人とも全くバラバラのコーラスだった。複雑な構成で不協和音盛り盛りの曲。『あいみ』がバスバス、『えあー』がテナー、そして『まりん』がボーイソプラノだった。

 

 

 

 

はっきり言う。踊りは単純すぎてダメ寄り。

 

 

でも、違う。

 

 

 

私たちが、あんまり聴いたことがない音楽。

 

 

 

あいみのバスバスは低い。井戸を掘るかのようなあまりの支え、土台だった。そんな声が出るもんかとビビる。

 

対して、えあーのテナー。これが1番聴けたかも。中音域の太さはバリトン寄りだけど、高音も細らない頭声でイケてる。

 

そして、チームの中で1番荒削りな感じのするまりん。こいつは、

 

分からなかった。この時代は声を買えるという話はまだあんまり聞かない。買えるのはスキンと体の出力。

 

でも、なんていうか、

 

 

とても悲しい曲、何語か分からない合唱にいて、

 

男でも、女でもない、若者でも、老人でもない。何者か分からない、何かを訴えかけようとする、

 

異なる国の、どこかから来たソプラノであることだけは、何となくわかった。

 

 

 

 

 

 

曲が終わる手前、3人のユニゾンが一瞬だけ挟まる。却って合わせるのが難しい筈の同音でも、全く崩れない。それどころか、低、中、高音の大きさの粒がぴったりと合ってる。どれだけ練習したのだろうか。

 

そしてフィナーレだった。悲しい曲は、アイドルらしからぬ、そのままに悲しい曲として、マイナーな和音で締めくくられる。

 

 

 

静寂のち

 

 

 

どこからか歓声が生まれる。

 

 

 

日々を切り裂いて、何処かに連れて行って欲しかったみんなが、

 

 

きっとそれを待ち望んでいた。

 

 

※※※

 

審査抜きにして、新人がこんなレベルで場を盛り上げるなんて、普通あんまり無いことだった。

 

その日は地域アイドル部では新ユニットの話題で持ちきり。観に行く楽しみっていうのは何だかんだ緩い知り合い同士であったし、私たちもまあまあステージを沸かす時もあるけど、にしてもこういうタイプの鮮烈デビューって、中々無かったから、色々みんな刺激を受けたんだと思う。

 

で、1日の終わりを待たず、カナムが『はい提案。"部長職権限"使うべきです。明日から新人くんたちの指導者は私たちってことでどう?』と聞いてきた。

 

は?いきなり何?と素になって私リコが抗議兼質問。ちょっと意味が分からないっていうか。

 

しかし、詩織は郁子もなく『はーい!賛成!さっすがカナム先生。ナイスアイデアだよー』とか言い出す。お前なんだよその口調はよ。さっきのクールキャラどうなってたんだよ。

 

詩織は『もー。だってさあ?考えてみて?折角のスーパーユニットだよ?ピチピチの若い才能。これに釣り合うのは私たちくらいだよねー』と続ける。何が私たちくらいだよねーだ。お前ガルウィングの負荷で踊れなくて泣いてるだろ月3くらいで。

 

そういう抗議を全く意に介さず、カナムは『私はどっちかって言うとバスバスの子(あいみ)が好みかな。ストイックで、ちょっと負けん気強そうで』とか言い出す。なに?君たちなんか裏で話し合わせてたりした?

 

詩織は『やだー、ちょうど私はえあーくんがいいなーって思ってたんだー。眉キリッとしてて、でも細いけど筋肉質な感じ。バリイケメンだよねー!』とかのたまう。大丈夫かお前。そんな余裕あるなら明日からメニュー2倍渡すぞ。

 

そんな訳で私リコは堪らず、『いやあ、お二人さん。そういう古典の歴史にあるような、ボーイミーツガールもいいですけどね?忘れてません?これ部活動だから。内申点足りないと大人のおもちゃの仲間入りだよ。他人の練習見てる暇ないでしょ』と再度抗議をした。

 

『むぅ…なんともまあ』とカナム

『あれえ、あれあれ』と詩織

 

そして、『リコさ、隠してる』とカナム。『長い付き合いだからさ、ね?』と詩織。

 

大体もうこいつらは大丈夫じゃないな、やっぱ2倍のメニューで明日から行こう。そう思って帰り支度を始めた時、2人揃って言った。

 

 

 

『リコはやっぱ、まりんくんが1番イイっしょ』

 

 

 

咄嗟にちょっとスキンを調整しようとした。しかしカナムに羽交締めにされ、耳のスキンまで赤くなるのをもろに見られた。

 

『うひゃあ、可愛いなあ、リコ。リコがリーダーで私たちはメチャクチャ幸せだよ、おお四季の神様、なんという乙女の表情でしょう』最悪で意地悪でニタニタした笑みを浮かべてカナムが言った。

 

『いやー、"鉄のオトメ"とか言われてるリコにも、心惑わされる誰かが現れる時が来るとは…因みにさっきの赤くなる瞬間はバッチリアイカメラに残っていまーす。リコのファンにばら撒いてしまいたいなー、ナハナハ』、却ってうざったいキャラで詩織が煽り始めた。お前やっぱ明日の練習から負荷3倍な?ギャン泣きさせてやる

 

『あーじゃあまあ、3人の分担も決まった所で、既にもうコーチングの申請出しちゃってるから』とカナムが言った。

 

『流石カナム先生!仕事がはやいよー!バッチシバッチシ!』と詩織。

 

私リコは流石に恥ずかしいわ勝手に決められてちょっと腹が立つわで、『いや待って。マジで待って。本当にやるわけ!?私たちもライブの日程も学術テストの日程も結構押してるけど???』と何度目かの声を上げた。しかし、

 

『いいのかリコ?まりんくんの美しいソプラノを聴きならが2人っきりで熱血指導してあげなくて。あの繊細な声でリコの一挙手一投足に返事を返す様は中々耽美じゃあないか。ああ先生、僕のコンコーロの火に手を触れないでください。先生も僕も火傷してしまいます』とカナムがクネクネと寸劇をはじめた。殴ってやりたい。

 

『まりんくん、凄い細身でちっちゃくて、いやー、リコらしいよねえ。リコらしくいやらしい。あの声とあの小ささだからいいんだよねえリコは。うわー犯罪。指導が行きすぎて内申点剥奪にならないようにねー?』と詩織。ごめん、普通に殴った。

 

殴られて泣いている詩織をカナムと私で宥めつつ、最終的に2人は私に聞いてきた。『で?本当にやらないでいいの?』

 

※※※

 

 

 

武士の友達と近代サッカーをした

ぼくは部落の出身だ

 

けれど雷に撃たれた手前やらないわけにもいかず、ほんの少しだけ気の利いた、ぶよぶよ大学に行くことになった。

 

19歳のときだ。

 

そこで、ぼくは武士の家系に生まれたヤツと友達になった。ぶひよし(武頼)という名前だ。

 

ぶひよしは、只者ではなかった。明らかに只者ではなかった。なにせ、昼休みには教室の真ん中でみんなに聞こえるように、当時やってたラブライブのことりちゃんの真似をしていたのだ。

 

他にも、1回生次の教養の授業"子どものこころと発達"において、ビデオ視聴時スクリーンに高等学校が移った際、『あっ!俺この高校、行ったことない!』と叫んで立ち上がったことなどがある。みんなで頑張って押さえ込んだものだ。

 

 

そんなぶひよしと、今日は若者の街、下北沢に来ている。

 

 

ぶひよしは手始めに、高性能な仕込みカメラで、流行りのアニメのポップや、人々が歩くさまを、次々と景色として切り取り始めた。ぶひよしはこう見えてもカメラの達人であり、ぼくを撮ってもらったが、水も滴る大怪獣のような仕上がりにしてみせてくれたものだった。

 

そんなぶひよしの隣で、ぼくはいつも、決まって社会の話をする。『聞いてくれぶひよし、"摂理"という大変に大きくて厄介な敵がいる。こいつは人間なんて全てを監視していて、その人間がちょっとつけあがると、途端に試練の壁を与えるのさ。全く参った奴だ』、ぶひよしは『ほうナス』とか『ああナス』とか言いながら気にせずシャッターを押している。こんな風に僕たちの時間は流れていくのだった。

 

暫くして腹も減ったということで、街中の巨大なカレー屋に入ると、入り口にはぶひよしをお迎えするお店の人々が居た。いらっしゃいませ武頼(※ブライ)さま、今日はお供の方もお連れですか。

 

※ぶひよしは、表立っては日本国内では『ブライ』と呼ぶのが正式な名前だが、僕は敢えて字(あざな)であるぶひよしの方で読んでいる

 

暫くカレーが運ばれてくる中で、お供であるはずの僕の社会の話は、いついよヒートアップしてきた。だが、カレー屋のお姉さんが"小難しい意味のない話するなら出てけよ"と粉チーズで書いてくれた特製の焼きカレーを持ってきてくれて、僕は我に返ってぶひよしの近況を尋ね始めたのだった。

 

驚くべきことに、ぶひよしは、何らかの武士の組織の中で際立った活躍を見せていた。矢を弾く動きが特に速かったりしたんだそうだ。将軍さまはぶひよしを気に入って、ご恩をたくさんくれたそうだ。いいなあ。他にも、矢文を誤って斬ってしまった際にセロハンテープで修復して誤魔化して将軍に提出した話や、相手の武士を切り捨てる際にはまず足から狙って動きを止めるのが良いといった話を聞いた。ぼくもなんだか、武士になりたくなったな。

 

ぶひよしの活躍もさながら、私たちは近代スポーツクラブに出かけた。ここでは、肉体の動きのみならず、あらゆる身体の動き、特に心の動きが勝敗を決めるものが多く並んでいた。サッカーにしよう。そう2人で決めた。なぜかって、『ぼっち・ざ・ろっく』の主人公達が、ABCマートとコラボをしていて靴が安かったから。

 

『勝負はおりが貰うぜ。なんたって金の貰いでは負けちまったからな』と私が言う。ぶひよしは『武家の棟梁に勝ってみろ、なすだろ』と持論を展開した。

 

勝負

 

俺のライムとマイムマイムはいつものようにぶひよしのカメラで切り取られてしまう。だから俺は言葉を迅速に、秒速で後ろのワタワタの観客に投げる。ワタに力が伝わりグーっと伸びると、そこからA系とB系のビームが出た。とかく、ぶひよしは回転角速度を上げてますますカメラをふるい、次第にどんなものでも切り取り始めた。会場全部が仮想化されてるとはいえ、このままズタズタにされたら修理費で俺の財布もズタズタだ。俺は今までの仕事を諦めて、賭けに出た。ネットワークの構築を捨てて直にアルゴリズムアタックを仕掛ける。要するに武士との真っ向からの斬り合いだ。ぶひよしにとっては飛び道具を使う以外の俺は意外だっただろう、前に後ろにカメラの乱切りをしたが、俺の姿までは切り取れない。勝負だ。暗号化を兼ねた断口でおもいきりぶひよしのカメラを弾く。俺は勝利を確信した。しかし、思っても見ないことが起きた。弾いたはずのカメラが、なぜかジャイロ回転して俺の姿を捉えた。ぶひよしのヤツ、この速さでなんとまあカメラをバネ式のものに切り替えていたのだ。俺はたまらずに風景の中に閉じ込められてしまう。勝負あった。

 

※※※

 

帰りの電車の中で、暫く話した。武士の仕事は、忙しくても、最初は本音を言えば辞めたかったけど、最近では充実しているそうだ。茄子が実った。彼はそう表現した。

 

何だか面映くて、電車を出た彼にいつまでも手を振った。彼は、得意の茄子踊りで今日の一日を車窓から締めてくれる。

 

限られた、無量の時間の中で、俺たちはどこまで行くだろうか。遠くでなくていい、ただ、明日へ。そんなふうに思えた1日だった。