日記 2019 8/9

日記

 

思いつきで出かけた等々力渓谷公園は、確かに見晴らしが良く、中を流れる川のせせらぎ、あちこちに這い回る蜘蛛の巣のアートの彩りが相まって、夏の暑い時期に行くには持って来いだった。しかし、いかんせん公園としての規模が小さく、10分もしないで端から端へと歩ききってしまった

 

仕方がないので周辺をブラブラしていると、こじんまりとしたカフェに行き当たった。しかも、看板には「手作りケーキ」の文字が。喜び勇んで中に入ると、驚いたことに客は俺一人。完全な貸切状態という奴だった。俺は、ナッツとフルーツのケーキを注文するが、なんというか、そのケーキは硬いし甘すぎるのだ。慌ててコーヒーをがぶ飲みする。まったく、今日の散歩運は付いていないな

 

「なるべく早く会社に戻るように」と、面談で産業医は言った。しかし、俺の病はまだ万全の回復からは程遠く、したがって口で簡単に言うように早い復帰ができるとは到底考えられなかった。思考が停止し、気づけば軽い悪態をついていた

 

じりじりと夏の日差しが体に熱を与え斃れこませるように、俺の現状も、少しずつ追い込まれている。しかしそんな事はどうでもいい。俺は休む事に専念するのだ。誰がなんと言った所で、俺はサボり続ける。世界で最も役に立たない無能者に、なってやるのだ