鬱と会食 (日記 2019 8/18)

社会人にとっては、夏休みも最終日だ。俺は傷病手当を貰っているから、永遠の夏休みという訳だが、この期間中あれ程沢山遊んでくれた友人たちがまた一斉に仕事に戻り、俺はまた1人で散歩するだけの日々を送るのだと思うと、少々寂しいきもちになった。

 

また遊んでもらった、と言っても、特段なにか珍しい事をしたわけではない。殆どの日が、ただ簡単な会食をしただけだ。友人たちから話を聞くと、旅行に行った者も多いらしい。いいな、と思うと同時に、そもそも俺が旅行に行けるほど深い中に居る人間を多く持たないことと、仮に誘って貰ったとしても、この病気−うつ病で殆どの時間眠ってしまうせいで、それを断らなければならないということを思い出す。俺は少し鬱とは別に憂鬱になって、友人たちの旅行の話を、なるべく笑顔で聞いているように努めた。

 

最近、酷い吐き気がする。以前なら余裕で平らげた食事量の7割でも食べたものなら、即座に気分が悪くなり、手洗い場に直行することになる。昨日など、会の途中であまりに体調を崩しすぎて、途中で集まりを抜けてしまった。また、そのせいで、心なしか食事そのものが以前よりも美味しくないように感じられる。したがって、会食の席で食事そのものを楽しむのが不可能なのは勿論のこと、1人見知らぬ散歩をして、目に入った洒落た感じのカフェでケーキなどを注文することもできない。踏んだり蹴ったりという奴だ。

 

俺の体調はどうなっているのだろう。一時期は順調に回復へ向かっていると思っていたが、どうやら違うらしい。予定が立て込むとすぐ疲れ果てて眠ってしまい(これでは労働に支障をきたすだろう)、起きる時間も午後になってしまう。数日前までは、朝早く起きて夜は早く寝る生活を保てていたのに。おまけに吐き気まで付いてきて、なんだと言うのだ。

 

あの意地の悪い会社の産業医との面談日程は、目前に迫っていた。「なるべく早く会社に戻るように」と彼は言った。だが、現状では、とてもすぐには働きはじめられそうにない。次の彼との面談で、また俺はビクビクと怯えながら、精一杯の悪態で反抗することになるのだろうか。なんて非生産的な予定を組まされたのだ。小心者の俺は、それだけで僻遠としてしまう。

 

だが、少なくとも俺の休日は悪いばかりでもなかった。今日は友人と映画に行った。その白熱の展開に、俺も彼も思わず固唾を飲んでスクリーンに見入ってしまった。幸運にも空いていたフードコートで、2時間も映画について語った。この盆休み中、体調は悪かったが、会いたかった友人にはほぼ会うことができた。彼らとする話は、俺のしおれてしまった心を満たし、水を与えるようだった。総括すると、夏休みは楽しかった。次は、鬱じゃない時に味わいたいものだ。